CLPクリニック

口唇裂口蓋裂について

口唇裂・口蓋裂は、世界中の各民族で見られる、最も頻度の高い先天異常です。日本人あるいは黄色人種では、型は違いますが約500~600人に一人の割合で発生します。裂型はいろいろあり、治療方法は裂型にあわせて大体同じようになりますが、程度によって変わることもあります。

どうして発生するか

受精した卵細胞が体の構造を形成していく段階において、胎生5~7週頃に前頭突起の内側鼻突起および外側鼻突起と上顎突起から形成される一次口蓋の形成異常により口唇裂や唇顎裂が発生します。胎生8週頃に硬口蓋、軟口蓋、口蓋垂を形成する二次口蓋が、舌の両脇から上方に移動して舌の上で両方が接触癒合して形成されますが、この異常により口蓋裂が発生します。発生原因については、十分に解明されていませんが、いろいろな環境的要因と遺伝的要因によると考えられています。

治療の全体的な流れ

治療の段階は次の5段階と考えております。

第一段階

出生から口唇形成術

本クリニックでは、口腔外科医・看護師・小児歯科医がお母様・ご家族に今後のお子様の育児・手術・その後の治療全般についてお話しています。
口唇手術については、口腔外科にご相談ください、小児歯科の先生と連携してご相談いたします。口唇の手術は3ヵ月頃に行います。

ピア・カウンセリング

「つばさの会」では、お母様方のご希望があれば、先輩お母さん が産院に出かけて、あるいは本院のCLPクリニックにて、子育て等について経験談をお話する支援も行っています。

お問い合わせ先: 口腔外科 (TEL: 092-642-6450)

第二段階

口蓋形成手術

口蓋裂がある赤ちゃんは、2歳頃にその閉鎖手術を行います。あまりこの手術が早すぎると、上顎の発育に影響があります。しかし、言葉を覚える頃には口蓋を形成する必要があります。手術後は、口蓋が十分動き、正しい発音ができるように言語 訓練が必要です。

第三段階

乳歯列期

3才後半から言語訓練と平行して、矯正の先生が顎の発育と噛み合せの管理を行います。当院では4才から半年毎に 定期検診を行っており、治療が必要な場合の体制を整えております。成人になるまで長い期間のお付き合いになるため、子供さんの負担を考えて、できる限り装置を入れる期間を短くするよう努めています。

第四段階

混合歯列期、学童期

小学校1~2年生で上顎の真ん中の歯(中切歯)が生えてくると、破裂がある側の歯は捻じれて生えてきます。必要があれば治療します。また、定期検診を続けながら、腸骨(腰の骨)移植の時期を検討します。犬歯が生えてくる直前の小学校4~5年生頃が良いと考えています。骨移植後1~2カ月の内に、歯には装置(ブラケット)をつけ、歯を移植骨の方へ移動させ歯列を作り上げます。この治療は2~3年かかります。

第五段階

永久歯列期、中学生から成人になるまで

中学校~高校生にかけて、最終的な歯の排列を行い咀嚼できるようにします。成長終了後、上顎骨の発育が異常に悪かったり、下顎骨の成長が非常に大きい場合は、外科的に顔貌を改善する方法もあります。また、鼻や口唇の変形のある場合は、再形成手術をこの時期に行います。私たちは歯を削らず、自分の歯だけで咬合を完成させようと努力していますが、最初の破裂の程度や歯の先天的な欠如など、種々の要因によってこれを達成できない場合もあります。
その場合、ブリッジなど人工歯を使って咬合を完成させます(補綴的処置)。

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  • 福岡親子の会 つばさ
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